“破壊するもの”の外――。
 相良京一とソリッドウィング隊の協力により、鳥形の“異形”は全て片付いていた。
 そうして彼らの見守る前で、“破壊するもの”が力を失い、ゆっくりと降下を始める。
 ザ……。
 ザアアアアアッ!
 心臓の下部が水面まで達すると、巨大な波が起こった。まるで……海の体積が増えたかのような錯覚さえ覚えるほどの波。
“破壊するもの”はそのサイズゆえに、没するのにも時間がかかる。
 だが京一達が待っていても、その中から出てくるものはなかった。
 まさか先輩達は敵と相打ちに……!
 不吉な思いが京一の胸をよぎった時、海中から光が昇った。
 光は球体の形をとっており……その中にいるのは……。
「大炎帝! 烈風神! 轟地将まで!?」
 目を丸くする京一に大炎帝から通信が来る。
「待たせたな、京一! これにて任務完了、だぜ!」
「先輩っ……お帰りなさい!」
「ああ、ただいまっ」
 大任を終えたばかりの巧は、いつもと変わらない笑顔で京一に答えたのだった。



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