翌日――
 予定通りに兵藤極東司令と大炎帝のパイロットが篠崎家を訪れた。
 この時、綾は初めて大炎帝のパイロットと顔を合わせ、名が小早川巧である事を知ったのである。自分よりも年上のようだが、どこかいたずらっぽい、少年のような印象を宿した青年だった。
 一方の兵藤極東司令は、威厳に満ちた初老の男性だ。
「では、篠崎さん」
「はい、息子と佐倉君をよろしくお願いします。――いいんだね、二人とも」
 同席していた綾と広哉は、篠崎正人に尋ねられて、緊張気味に頷いた。
 明日から一週間、広哉はIDM極東支部で検査を受け、綾も彼に付き添う事となる。
 綾と広哉が、二人で決めた事だ。広哉の正体不明の力が、先日の戦いの決め手となった事は、霊力の流れを感じ取っていた烈風神からすでに聞かされている。
「よろしくお願いします」
「お願いします」
 彼女達は兵藤極東司令に向かい、深々と頭を下げたのであった。



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