「……まったく、綾はどこに行ったのよ」
 急に部屋を飛び出していった綾を探して、美保は館の中を歩き回っていた。
 だが友人の姿はどこにもない。
 彼女の部屋では悪ノリしすぎたと反省しつつ、美保は庭も探す事にした。
 懐中電灯を用意して、豪奢な玄関ホールまで来る。
 と、外へ出るまでもなく、綾がそこに佇んでいるのを発見した。
「綾っ」
「美保……ちゃん?」
 駆け寄った美保に、綾がのろのろ顔を向ける。
 彼女の顔は、涙でグショグショになっていた。
「ちょっと綾っ、どうしたのよ!? 何があったの!?」
 両肩を掴んで揺さぶると、綾はカクンと崩れ落ちた。
「綾っ!」
 慌てて抱きとめた美保の耳に、綾の呟きが届く。
「やっぱり……私には戦うなんてできないよ……」
「綾? 綾……!」
 綾は意識を失っていた……。



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