水玉模様のパジャマを着た綾が自室まで戻ると、ドアの前では、広哉と美保が並んで壁にもたれていた。
「美保ちゃん……広哉様……」
 考え事をしていた綾は彼らに気付くのが遅れ、広哉と美保の方も俯いていたため、彼女が来た事が分からなかったようだ。綾の呟きで、ようやく二人は顔を上げた。
「綾……!」
 広哉の方は、弾かれるように壁から離れ、綾の正面へと小走りに寄ってきた。
「綾、あのロボットの事……教えて欲しいんだっ」
 勢い込んでそう切り出す。
「え……」
 そこに後から来た美保が、付け加えた。
「一昨日の事とかさ、坊ちゃんがどうしてもって」
「は……はい、広哉様、分かりました」
 困惑しながらも、綾はそう返事した。元々そうするつもりだったのだし、断る理由はない。ただ、広哉の方から言い出してくるとは思わなかった。
「……それじゃ、私の部屋に」
 綾は自室のドアを開け、広哉と美保を迎え入れた。



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